2008-01-01から1年間の記事一覧

それがいらない世界を想像してみる

レジデント初期研修用資料より「それ」はたいてい、もちろん必要だからこそ世界にあり続けて、そもそも「それ」を無くすことにどれだけの意味があるのか、無くしてみて、世の中どれだけ便利になるのか、無くしてみないことには、もちろん分からないのだけれ…

内分泌専門医試験翌日

体調イマイチだったな

トヨタの長すぎた栄光

池田信夫ブログより今年の日本経済を振り返ると、最大のサプライズは年末に明らかになったトヨタの赤字だろう。かつてトヨタは、向かうところ敵なしだった。奥田碩氏が経団連の会長だった時代には、財界の政策立案を行う渉外部に70人ものスタッフを擁し、経…

所有という幻想

池田信夫ブログより 松本零士氏がセリフの「盗用」をめぐる裁判で敗訴した。彼がpro-copyright派の愚劣さを世の中に示した功績は大きいが、この事件もいろいろなことを考えさせる。松本氏の脳内では、すべての情報は作者が所有しているのだろうが、これは著…

バブルはまた必ずやってくる

池田信夫ブログより 今のようなとき、政治家も財界もかさにかかって「果敢な金融緩和をしろ」と中央銀行に求めるインフレバイアスはどこの国にもみられるが、異常な金融政策は異常な結果をもたらす。中央銀行の独立性が定められているのは、こうした政治的圧…

金融危機についての入門的まとめ

池田信夫ブログより年末になって、本屋にはぞろぞろ「大恐慌本」が出てきた。現在の不況を「世界恐慌」などと名づける本は、それだけで読まないほうがいい。それは著者が1930年代と現在の違いを理解していないことを示すからだ。しかし官僚やメディアにはそ…

サービスの考えかた

レジデント初期研修用資料より 認知症の厳しい99歳のお年寄りが今入院していて、看護師さんがそのまんま、「認知症が厳しくて大変です」なんてご家族にお話ししたら怒られて、病棟で、「あの家族は厳しいから気をつけて」なんて申し送りしてた。何かが間違っ…

近隣窮乏化の誘惑

欧州通貨が激しく下がっている。今日は1ユーロ=117円と、図のように4ヶ月で30%以上下がった。ポンドに至っては40%以上も下がった。同じ時期にドルは、15%しか下がっていない。それでも外銀のファンドマネジャーによると「ユーロは利下げでもう一段下がる…

中級経済学事典 マネーストック

池田信夫ブログより 欧米の中央銀行が、リスク資産を買う「非正統的な金融政策」に相次いで踏み切った。日本の経験からいうと大した効果は期待できないが、やってみる価値はあろう。いま欧米の置かれている状況は、金融機関の仲介機能が崩壊した非正統的な不…

チェンジへの希望

From : ビル・トッテンアメリカの新しい大統領が決まった。前回のような電子投票のトラブルも起こらず、また噂された暗殺もなく、オバマ上院議員がアメリカ大統領に選出された。ブッシュとは対照的に、頭がよくて人を魅了する演説を行うオバマ氏は、変革を求…

いわゆる『ゾンビ企業』はいかにして健全化したのか?

経済産業研究所コラム 中村純一 日本政策投資銀行設備投資研究所主任研究員「失われた10年」の日本経済をめぐる論議では、経営再建の見込みが乏しい、いわゆる「ゾンビ企業」を存続させたことが、経済の回復を遅らせた主要な原因の1つであると指摘されてきた…

「プロジェクトX」という錯覚

池田信夫ブログよりきょう東京駅で、こんなポスターを見た。きのうから始まった「NHKオンデマンド」の広告だ。ところがきのう、NHKに関する最大のニュースは、その目玉である「プロジェクトX」の元プロデューサーが、万引きで検挙されるというニュースだった…

いかに自己完結するか

他科依頼で乗り切るのは簡単で、病院組織の人間関係の上では、他科依頼は潤滑油の役割さえ果たす。しかし、開業医は、自己完結できる分野が少ないと、赤字になるんじゃないだろうか?大学教授は、教員でい続けるか、特許を取るまで、一生雇われ人ということ…

シュンペーターの逆説

池田信夫ブログより今週のASCII.jpにも書いたが、朝日新聞が初の赤字に転落したのは、業界にはけっこう衝撃的なニュースだったようだ。これは欧米ではすでに起こっていることで、遅かれ早かれ避けられない。日本では再販制度で守られてきたぶん、独占利潤の…

「薬物漫然投与」死亡女性の娘、松山地裁に提訴

「薬物漫然投与」死亡女性の娘、松山地裁に提訴 記事:毎日新聞社 /愛媛 漫然とした薬物投与の治療を受けたため副作用を発症した母親(当時81歳)が死亡したとして、県内の女性が10日までに、松前町神崎の「くろだ病院」を運営する医療法人・光佑会を相…

世界デフレが来る?

池田信夫ブログより 先進国の物価上昇率が急速に低下し、デフレが始まっているとEconomist誌が報じている。これを防ごうとFRBが通貨供給を増やしたため、アメリカはゼロ金利に近づいている。日本の不良債権対策は外国に自慢できるようなものではないが、デフ…

社会科学者のための進化ゲーム理論

池田信夫ブログより 現在の世界的な不均衡状態を理解するには、DSGEなどの合理主義的なマクロ経済学は役に立たない。それはゲーム理論の言葉でいえば「一定の(非現実的な)条件のもとではナッシュ均衡が存在する」といっているだけで、不均衡状態が均衡に収…

局所効率化と全体最適化

池田信夫ブログより 4日の「効率の高すぎる政府」という記事には、当ブログで最大のリンクが集まった。これはわかる人にわかるようにしか書かなかったので、当ブログの読者のレベルが高いことには驚いた。友人の話によると、霞ヶ関にも読者が多いようだ。た…

効率の高すぎる政府

池田信夫ブログより 橘木氏の本でも論じられているが、日本の国民負担率は37%と、OECD諸国の中でアメリカに次いで低い。今の財政赤字をすべて増税でファイナンスしても50%に満たず、先進国では最下位グループだ(経済財政白書)。だから小泉政権でも「小さ…

現場の能力を「上」が把握するのは難しい

レジデント初期研修用資料より来年度の研修医がますます減りそうで、県内にある基幹病院の先生が、大学のことを憂慮していた。来年度の研修医を獲得するために、大学は、たしかに多様な研修プログラムを準備しているみたいで、たしかに大学の「上」にいる人…

朝日新聞は田母神論文を批判できるのか

きょう田母神俊雄・元航空幕僚長が国会で参考人質問を受けたが、「私は間違っていない」と豪語し、反省の様子は見せなかった。けさの朝日新聞で、秦郁彦氏と保坂正康氏が彼の論文を史実と照合している(ウェブには出ていない)。おおむね私の前の記事と同じ…

モラル・ハザード

池田信夫ブログより最近の金融危機をめぐる報道で、「モラル・ハザード」という言葉がよく出てくる。新聞ではたいてい(倫理の欠如)と補足しているが、これは誤訳である。この言葉は保険用語で家の燃えやすさなどの"physical hazard"(物質的危険)と対にな…

移動の経済性

人口移動と生産性の関係については、原田氏だけでなく、八田達夫氏も何本か論文を書いているし、奥野正寛氏は田中角栄以後のシステムを「1970年体制」と呼んでいます。ただ生産性の低下には、もう一つ大きな原因があって、輸出産業と国内産業の生産性ギャッ…

「就職氷河期」はなぜ起こったのか

池田信夫ブログよりフリーターの告発「『丸山眞男』をひっぱたきたい」をめぐって始まった議論は延々と続き、コメントも3つの記事の合計で400を超えた。なぜ「就職氷河期」が起こり、10年以上も続いたのか、こういう状況をどうすれば是正できるのか、につい…

米国経済とオバマ

小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記よりオバマは空虚で中身がない。changeと叫んでいるだけで、何もない、というのが島田論だが、私はだからこそ、オバマは危機に意外と適切に対応するのではないか、と思っている。ブッシュは、異常な信念があった。その信…

舞台装置がプラットフォームになる

レジデント初期研修用資料大きくなりすぎた問題に対して発生するかもしれない無関心のお話し。新大統領のこと 新しい大統領を警護する人達は、今頃頭抱えてるだろうな、とか想像する。オバマ大統領が劇的な勝利を挙げて、「負けた」感覚を味わった人は、たぶ…

小室哲哉シンドローム

池田信夫ブログよりきのうは「小室逮捕」が米大統領選も吹っ飛ばす騒ぎで、私のところまで電話取材が来た。私はJ-POPはラジオで流れている以外は聞かないので、彼の音楽についてコメントする資格はないが、知っている範囲でいうと、彼の曲のどこがいいのかわ…

選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?

情報考学 Passion For The Futureよりノーベル経済学賞受賞の経済学者ケネス・アローは、いかなる投票方法を持ってしても、票割れなどの好ましくない状況を完全に排除することはできないということを論理的に証明して見せた。アローの不可能性定理は民主主義…

墨東病院のこと

レジデント初期研修用資料より墨東病院の産科が、11月から2人当直体制を復活させるらしい。** 問題が発生した都立墨東病院(墨田区)は、11月の土日祝日の当直体制を、 これまでの1人体制から可能な限り、>2人体制へと強化するとした。(中略) 当直が1…

麻生政権 経済対策 3つの誤り

小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記より3つの誤りがある。第一に、なぜ景気が悪いかの認識が誤っている。これは何も中小企業の景気が悪いからではない。それはあくまで結果だ。原因と結果を間違ってはいけない。景気の直接の悪化の原因は、高額の消費や投…