2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘリコプター・マネーという愚民政策

定額減税が、2兆円の「給付金」という珍妙な形で行なわれることに決まった。これは経済学でよく冗談でいわれる「ヘリコプター・マネー」をほとんど文字通り実行する漫画的な政策である。あなたが市役所に行くと、1世帯4万円のクーポン券をもらえる。これが他…

ゼロ金利政策の罪

池田信夫ブログよりきょうも株式市場は下がり続け、日経平均は7000円を割った。市場全体の平均PBRが0.8という異常な株価は、需給要因(特に外人の手仕舞い)もあるが、最大の要因は円高だろう。図のように日経平均とドル/円レートには強い相関がある。だが…

金融危機のマイクロストラクチャ

世界の株式市場は、底なしの暴落が続いている。これは各国政府の対策に、市場が「それでは足りない」というメッセージを出していると解釈できる。何が足りないのか――それがわからないのがBlack Swanの特徴だが、ここでは一つの仮説を提示してみる。私は「今…

「命がある」ということと「赤ちゃんを育てられるお母さんとして生きている」ということは別な問題だ。

** 妊婦死亡:産科医「頭部疾患伝えた」 妊娠中に脳内出血を起こした東京都内の女性(36)が都立墨東病院など7病院に受け入れを断られた後に死亡した問題で、最初に女性を診察した江東区の「五の橋産婦人科」の医師が22日夜、記者会見した。「(受け…

金融危機の神話

ミネアポリス連銀のワーキングペーパーによれば、今回の危機について広く信じられている次の4つの話は、事実ではない。銀行の一般企業への融資は急速に減っている。 インターバンク取引はほとんどなくなった(図)。 企業の発行するCPは激減し、金利は急上昇…

出典不明(おそらくフジサンケイビジネスアイ)

知人からのメールをコピペ米証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)して1カ月が経過したが、世界的な連鎖株安が続くなど金融市場の激震が収まらない。欧米では金融危機克服の“切り札”とされる公的資金による金融機関への資本注入に踏み切る動き…

CDSの仕組み

newsweekやhttp://plaza.rakuten.co.jp/uki5496/diary/200810130000/より貼り付け金融危機の元凶はJPモルガンが生み出したモンスター、クレジット・デフォルト・スワップの無節操な濫用だ それは、米金融業界の大物たちの週末の儀式だった。太陽のあふれるリ…

直接金融という神話

今週のEconomist誌は、今回の問題が「資本主義の全面的危機だ」といった批判に反論し、派生証券の特殊性を規制当局が十分理解していなかったことが原因だとのべている。私の感想もまじえてメモしておく: マルクスをもじっていえば、いま投資銀行は鎖以外に…

「ケインズ革命」の幻想

Friedman-Schwartzの大著"Monetary History of the United States 1867-1960"の、大恐慌の章だけのダイジェスト版が再発売された。原著は、大恐慌の原因を「有効需要の不足」とする通説に挑戦し、その責任がFRBの誤った金融政策にあることを明らかにして、経…

コーディネーションの失敗

主要国の中央銀行(日銀を除く)が協調利下げを発表した直後に、世界の株式市場は「9月危機」以来最大の下げ幅を記録した。これはマーケットの「当局はわかってない」というメッセージだろう。私は、マーケットのほうが正しいと思う。現在の状況は、ある種の…

電子カルテをネットワーク化してほしい

レジデント初期研修用資料より個人情報の問題が大きすぎるから実現は難しいけれど、やっぱりいつかは、電子カルテをネットワーク化して、医師同士、あるいは患者さんが、いろんなカルテを相互に参照できるようになってほしいなと思う。思考を拡大する道具と…

日本のケース

池田信夫ブログよりついでにいうと、日本の90年代も大恐慌とは違います。90年代前半に日銀が「リバブル」を心配して金融緩和に慎重だったのはたしかですが、その後は超緩和政策に転じました。銀行がバタバタ倒産しているのにFRBが金融引き締めを続けた30年代…

構造改革は「清算主義」か

Diggなどを見ると、大統領はオバマに決まりで、金融危機対策は「金融の社会主義化」だという意見で埋め尽くされている。政府を信用しないのはアメリカの健全な伝統だが、景気後退が深刻になってもbailoutに反対するのは、大恐慌のときフーバー政権がとった清…

地方の医師不足、その本当の原因とは?

色平哲郎の「医のふるさと」より 佐久総合病院の同僚、長(ちょう)純一医師(国保川上村診療所長)は、 地方の医療現場を最もよく知るドクターの一人だ。 彼は研修医時代から地域で働く同志を、と考え医学生向けにさまざまな 企画を行い、多くの学生実習を…

Back to the 90's

池田信夫ブログよりアメリカの状況をみていると、日本の90年代を違った形で後追いしているようにみえる。いわば日本は、映画"Back to the Future"で未来にきたようなものだから、これからどうなるかも予測できる。今度の下院による金融危機対策の否決は、ド…

大恐慌は再来するか?

今回のアメリカの金融危機を「大恐慌の再来」などという話がよくあるが、これは間違いである。トルストイ風にいえば、好況はいつも同じように幸福だが、不況はそれぞれに不幸なのだ。ガルブレイスの本(左)は先週、再発売されたが、初版は1955年。1929年の…