嘔吐物から有毒ガス・熊本の病院、農薬自殺の男性診療中

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嘔吐物から有毒ガス・熊本の病院、農薬自殺の男性診療中

21日午後11時ごろ、熊本市長嶺南2の熊本赤十字病院救命救急センターで、農薬のクロロピクリンを飲んで自殺を図り搬送された熊本県合志市の農業の男性(34)が診察中に嘔吐(おうと)し、気化した塩素系有毒ガスが発生した。入院予定だった女性患者(72)が肺炎の症状を悪化させ重症となるなど患者ら計54人が治療を受けた。男性は死亡した。

病院の説明によると、医師が男性の胃の内容物を約1リットル吸引したところ嘔吐、気化したクロロピクリンがセンターに充満したという。同病院は医師や職員を緊急に呼び出し、救護に当たった。

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有毒ガスに対する治療に詳しい、杏林大学高度救命救急センターの山口芳裕教授は「クロルピクリンは毒性が非常に強いので、今回のような患者の場合、病院に入る前に衣服を脱がしてビニールに密封したうえで、牛乳などを患者の胃に入れて毒物を中和し、薄めたあと胃の中のものを吸引して外に出すといった慎重な対応が必要だ。今回は患者を受け入れる時点でクロルピクリンを飲んだとわからなかったので、2次被害が起きることはある程度避けられなかったかもしれないが、農薬や洗浄剤を使った自殺では予期せぬガスが発生することがあるので、医療者はそうした危険性を念頭に置いて処置に当たるべきだと思う」と話しています。

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患者に嘔吐させないで、胃管を入れられるスーパードクター。おまけに杏林の救命センターの冷蔵庫には、いつも牛乳が置いてあるらしい。

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人生で必要なことはすべてSFで学んだ、とamazon書評よりコピー改変
下手な作家の書いた架空戦記小説と同じなのである。後知恵で、「ああすればよかった、こうすればよかった」という批判は容易い。なにしろ、敵の兵力、配置、作戦がわかっているのだから、索敵に兵力を割かなくても、不測の事態に備えて予備兵力を後置しておかなくてもいい。敵の弱点に総力をつぎ込めば、よほどの兵力差がなければ、戦術的には勝てる。

考えられるすべての可能性を考えて検査、診断している時間も費用も日本医療にはない。

小さな病院に数十名の患者が一気に運び込まれてくる状況で、悠長に毒物中毒マニュアル読んだり、Webにあたったりしていられたとは思えない。まず、対症療法で手一杯となるだろう。遠い昔に教科書で数行読んだだけで、一度も診たことがない毒物中毒を的確に診断し、解毒薬を手配して投与するなんてマネは、アームチェアで資料をゆっくり読んでいる人間だけが可能なのである。

もっとも、現場取材しているだけで、専門書を読んだりInternetをあたったりする程度の情報収集を怠ったマスコミの情報分析能力は、それをさらに下回る。