一歩一歩

われわれはとかく、ひとりの頭に100のアイデアを詰め込み、順次100人の頭に普及させようとする。しかし、共同で何らかの社会的資産を守ったり、開発したりするには100×100=1万通りのアイデアで臨むよりも、まずはひとつかふたつの本質的な実践でぶつかる方が得策だというのだ。

住民が新しい挑戦をするには収益が上がらねばならず、それにも閾値があり、70%程度の所得増が必要だ。しかし150%以上の所得を一部の農民だけが上げると、周囲からのやっかみを勝って、結局、その農法は普及しない。したがって、”地域を変える”には7割程度の収入増につながるひとつかふたつの画期的新技術を小さな畑で実験し、まず住民の4分の1程度が試みるようハッパをかけるべき。新技術の導入で自信をつけたコミュニティーは、結果として、自力で100のアイデアに取り組むことも可能となる

色平哲郎ブログよりコピー