医師だけ必ず飯が食えるようにせよというのはおかしいのではないか

――医学部の定員を増やすと、将来医師が過剰になるとの指摘がありますが。

尾辻 この議論をするとき、いつも感じることだが、その職業に就いた人を必ず飯が食えるようにしなければならないというわけではないだろう。診療報酬が公定価格で、医療が“社会主義的”なのだから、国が面倒を見るべきとの考え方もできなくはないが、医師だけ必ず飯が食えるようにせよというのはおかしいのではないか。

医療の世界では、供給を増やせば需要が追い付く、つまり医師数が増えれば患者が増え、医療費も増えるといわれてきたが、これからは、もうそういう時代ではないと思う。少々厳しい話にはなるが、腕のいい医者だけが生き残るという方向に向かうのではないか。

日経メディカルより